アイソトープ

甲状腺の細胞は、ヨウ素(ヨード)を原料としてホルモンを作っています。そのため、甲状腺はヨウ素を取り込みます。食物中のヨウ素も選択的に取り込んで甲状腺ホルモンを合成し、分泌しています。また、放射性ヨウ素も食物中のヨウ素と同じように甲状腺に取り込まれます。
アイソトープ(放射線ヨウ素)治療は、このように取り込まれた放射性ヨウ素によって甲状腺の細胞数を減らすことで甲状腺のはれを縮小し、併せて過剰に分泌されている甲状腺ホルモンの量を減少(正常化)させる治療法です。
この治療は放射性ヨウ素を使用して行うため、特別な設備が必要であり、実施できる施設は限られています。当院では1955年から行っています。

治療方法について

■バセドウ病のアイソトープ治療について

当院では、連続した2日間の通院、或いは内服必要量が多ければ1週間の入院で治療が可能です。治療は放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用するだけですので、傷や痛みの心配はありません。およそ2~6ヶ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少するため、薬よりも短期間で、また手術よりも負担が少なく効果が得られるのが特徴です。
ただし、この治療で注意していただきたいのは、同じように治療しても、甲状腺の細胞数が減りすぎて甲状腺機能低下症になる場合がある、という点です。
しかしながら、この症状は甲状腺機能亢進の状態よりも心身への負担が少なく、甲状腺ホルモン薬によって正常に維持することが容易であるため、アメリカでは最初から甲状腺機能低下症を目指した治療方針をとっています。

伊藤病院におけるバセドウ病のアイソトープ治療についてご紹介する映像です。

■悪性腫瘍のアイソトープ(放射線ヨウ素)治療について

悪性腫瘍の治療は手術が基本ですが、がん細胞が肺など遠くの臓器に転移している場合には、甲状腺をすべて摘出した後にアイソトープ治療を行います。
甲状腺がんから転移した細胞には、甲状腺と同様に放射性ヨウ素を取り込む性質があります。そのため、バセドウ病の治療と同じように、放射性ヨウ素が転移した甲状腺がんに取り込まれ、そこで内部からがん細胞を破壊していくのです。ただし、がんの治療の場合は、取り込まれる放射性ヨウ素の量が非常に少ないため、バセドウ病の治療の数十倍の放射性ヨウ素を使用します。
また、転移したがん細胞がすべて放射性ヨウ素を取り込むということではないので、事前に外来で、ヨウ素を取り込む細胞であるかどうかの検査が必要となります。

伊藤病院におけるアブレーション治療についてご紹介する映像です。

治療時のお願い

  • 放射性ヨウ素の取り込みを妨げないよう、治療前に抗甲状腺薬(メルカゾール、チウラジール、プロパジール)や甲状腺ホルモン薬(チラーヂンS)の中止とヨウ素制限食の実施が必要です。この点については、治療が決まった際に詳しくご説明します。
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