アブレーション

甲状腺がんで甲状腺全摘を施行した際、甲状腺と気管の間に、甲状腺床と呼ばれる僅かな甲状腺組織が残ることがあります。この残存甲状腺部分を放射性ヨウ素の力で破壊(アブレーション)しておくと、将来的に再発が減らせるという有用性が示され、欧米では一般化しています。そこで、リンパ節転移があったり、周辺臓器への浸潤が認められたような病状の患者様に対して、アブレーションを行う事があります(全摘を受けた全ての患者様に行うわけではありません)。

我が国では以前は入院のみで許可されていたアブレーションですが、2010年11月8日付で医政指発第1108第2号「放射性医薬品を投与された患者の退出について」が発出されたため、患者様の病状によってはアブレーションが外来でも施行可能となり、当院でも2011年9月より実際に施行されています。
これにより入院および外来両方での治療が可能となりました。

治療方法について

2泊3日の入院もしくは金曜日と月曜日(休日の場合火曜日)、2日間の通院で施行します。甲状腺細胞がヨウ素を取り込む性質を利用し、取り込まれた放射性ヨウ素の放射線の力で甲状腺床の細胞を内部から破壊します。アブレーションそのものは治療用放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用するだけですので、痛みを伴う医療行為ではありませんが、準備として2週間のヨウ素制限食を行います。また、内服中の甲状腺ホルモン薬を約4週間中止する必要があり、治療前後で甲状腺機能低下症状(だるさ、眠気、寒さ等)を感じる場合があります。 2012年より注射薬(タイロゲン)を使用する事で、ホルモン薬中止を回避できるようになりました(2日間の追加受診および注射薬の費用がかかります)。タイロゲンについて、詳しくはこちらをご覧ください。

*注射薬をご使用される方は担当医とご相談ください

伊藤病院におけるアブレーション治療についてご紹介する映像です。

治療時の注意点

放射性ヨウ素が効率よく取り込まれるよう、タイロゲンを使用する方法・休薬法のどちらの場合でも、2週間前からヨウ素を含む食品の制限をしていただきます。
この点については、治療が決まった際に詳しくご説明します。

アブレーション治療の流れ

アブレーション治療には、タイロゲンを使用する方法と、甲状腺ホルモン薬を休薬する休薬法の2つの方法があります。

  タイロゲンを使用する方法 休薬法
メリット
  • 甲状腺ホルモン薬を服用できるので、機能低下症の症状がでない。
  • 注射がない分、来院回数が少ない。
デメリット
  • 注射薬の費用がかかる※。
  • 休薬法に比べ、注射のための2日間の来院が必要となり、費用と手間がかかる。
  • 甲状腺ホルモンが不足するため、機能低下の症状が出る。
  • 甲状腺ホルモンの不足により、わずかに残っているがん細胞が刺激される可能性がある。

※自己負担として約6万円かかりますが、高額療養費制度の利用や、患者様の年齢によって金額が低くなる可能性があります。

■タイロゲンを使用する方法と休薬法によるアブレーション治療の流れの比較

タイロゲンについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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